
国外信託・国外贈与に関する情報申告のガイド
フォーム3520と3520-Aは目的が異なります。米国人は、国外信託の所有、移転、分配、一定の国外贈与をフォーム3520で報告する必要がある場合があります。米国所有者がいる国外信託は通常、フォーム3520-Aも提出し、所有者は信託の報告義務の履行を確保する責任を負います。必要なフォームを判断する前に、適用される例外を確認してください。
このガイドでは両フォームを比較し、記録とIRSの現行説明書に基づいて解決すべき点を示します。ご事情の評価や依頼内容の検討については、Segal, Cohen & Landis, P.C. (SCL)のチーム (英語)をご覧ください。
目次
- フォーム3520とは?
- フォーム3520-Aとは?
- 比較表
- 両方のフォームが必要な場合
- 一方だけが必要な場合
- 代替フォーム3520-A
- 罰則の比較
- 罰則を招く一般的な誤り
- よくある質問
- 国際税務弁護士に相談する
フォーム3520とは?
フォーム3520 — 国外信託との取引および一定の国外贈与の受領に関する年次報告書は、一定の信託取引、グランター・トラスト規則上の所有、対象となる国外贈与・遺贈を報告します。米国所有者は取引がなくても年次義務を負う場合があります。一定の遺言執行者にも提出義務があります。
フォーム3520の主な提出区分は以下のとおりです。適用指針に基づく所定のカナダ退職制度や、要件を満たす税制優遇国外信託など、報告の例外が適用される場合があります。これらの例外は、別個のFBARやフォーム8938の義務を自動的にはなくしません。
- 報告対象となる国外信託の設定・国外信託への移転、またはパートIの他の対象事由・義務について、あなたが責任者である場合。適用される例外を確認する必要があります。
- 課税年度中、IRC 671–679条に基づき国外信託の一部の米国所有者とみなされる場合(パートII)。適用される報告例外がなければ、信託取引のない年度も含まれます。
- 国外信託から報告対象となる直接・間接の分配を受ける場合(パートIII)。一定の信託貸付や信託財産の無償使用も報告を必要とする場合があります。
- 非居住外国人の個人または国外の遺産財団から、関連者間の合算を含め$100,000を超える贈与・遺贈を受ける場合、または国外法人・パートナーシップから贈与とされるものを別個の合計基準額を超えて受ける場合。基準額は2025年が$20,116、2026年が$20,573です(パートIV)。要件を満たす授業料・医療費の直接支払は除外され、国外信託の分配は別の規則に従います。
提出者:適用規則上の責任を負う米国人または遺言執行者です。米国人には市民・居住外国人だけでなく、所定の国内事業体、遺産財団、信託も含まれます。税務上の居住者資格と信託の分類は別途分析が必要で、国外住所や外国旅券だけでは決まりません。
提出期限:通常、米国人の課税年度終了後第四月の15日です。暦年を用いる個人の2025年度分は、2026年4月15日になります。適正に取得した所得税申告の期限延長により、暦年申告者のフォーム3520は通常10月15日まで延長されますが、その後に裁量による所得税申告延長を得ても、この日を超えて延びることはありません。要件を満たす国外居住の米国市民・居住者は通常6月15日までとなり、所定の説明書を添付しなければなりません。週末・法定祝日の規則も適用されます。
フォーム3520-Aとは?
フォーム3520-A — 米国所有者がいる国外信託の年次情報申告書は、通常、国外信託が提出し、受託者が署名します。各米国所有者は必要な申告書・明細書が提供されるようにしなければなりません。信託が提出しない場合、所有者は以下の代替申告手続に従う必要があります。適用される報告例外も引き続き重要です。
フォーム3520-Aは、以下を含む信託の財務諸表等を報告します。
- 信託の貸借対照表(資産、負債、純資産)
- 信託の損益計算書(総所得、控除、分配)
- 国外グランター・トラスト所有者明細書(各米国所有者に提供)
- 国外グランター・トラスト受益者明細書(分配を受けた各米国受益者に提供)
提出者:国外信託が、受託者の必要な署名を付して提出します。信託が提出しない場合、米国所有者が代替フォーム3520-Aを作成・署名し、フォーム3520の期限までに自分のフォーム3520に添付します。
信託の通常申告期限:信託の課税年度終了後第三月の15日です。暦年信託の2025年度申告では、2026年3月15日が日曜日のため、期限は2026年3月16日です。信託のEINを用いて期限内に正しく作成したフォーム7004を提出すると、通常六か月の延長が認められ、2026年9月15日までとなります。所有者のフォーム4868は、信託の通常のフォーム3520-Aを延長しません。代替申告はこれと異なり、所有者のフォーム3520の期限に従います。
比較:フォーム3520とフォーム3520-A
| 項目 | フォーム3520 | フォーム3520-A |
|---|---|---|
| 正式名称 | 国外信託との取引および一定の国外贈与の受領に関する年次報告書 | 米国所有者がいる国外信託の年次情報申告書 |
| 提出者 | 報告区分に応じた、責任を負う米国人または遺言執行者 | 国外信託。米国所有者は提出を確保するか、必要な代替申告を作成しなければなりません |
| 報告内容 | 国外信託への移転、所有、分配、多額の国外贈与 | 国外信託の財務諸表等:所得、貸借対照表、所有者・受益者明細書 |
| 提出期限 | 通常、米国人の課税年度終了後第四月の15日。適格な国外延長や所得税申告の延長が適用される場合がありますが、通常は最長で第十月の15日まで | 通常申告:信託の課税年度終了後第三月の15日。別個のフォーム7004により通常6か月延長。代替申告:所有者のフォーム3520の期限。週末・祝日規則が適用 |
| 提出先 | IRS(フォーム1040とは別に提出。必要な代替フォーム3520-Aはフォーム3520に添付) | IRS。必要な所有者・受益者明細書は該当する米国の受領者にも提供。代替申告は所有者のフォーム3520に添付 |
| 期限後提出・未提出の罰則 | 信託への移転・信託からの分配:通常$10,000と関連総額の35%の大きい方。所有者報告:通常$10,000と関連する年末資産の5%の大きい方。贈与:月5%、最大25%。適用限度と合理的な理由を考慮 | 所有者が責任を負い、通常$10,000と米国所有者に帰属する部分の年末総価額の5%の大きい方。継続違反の規則、法定限度、合理的な理由が適用 |
両方のフォームが必要な場合
適用される例外がなければ、米国人がIRC 671–679条に基づいて国外信託の一部を所有するとみなされる場合、通常は両フォームが必要です。
- フォーム3520-A:国外信託は自らの期限までに年次申告書を提出し、必要な所有者・受益者明細書を提供します。期限は通常、課税年度終了後第三月の15日で、延長と週末・祝日規則を考慮します。
- フォーム3520(パートII):米国所有者は、自らに適用されるフォーム3520の期限までに所有を報告します。信託がフォーム3520-Aを提出していれば、指示に従って国外グランター・トラスト所有者明細書を添付します。信託が提出していなければ、代替フォーム3520-Aを作成して添付します。
同じ所有者が、報告対象の移転についてパートI、分配についてパートIIIも必要とする場合があります。現行説明書では、国外グランター・トラストから分配を受ける米国所有者に、パートIIIの24行と27行の記入を指示しています。例外を含め、その取引に適用される規則に従ってください。各国外信託について別個のフォーム3520を提出し、必要な代替フォーム3520-Aは対応する申告書に添付します。
一方のフォームだけが必要な場合
フォーム3520のみ(フォーム3520-Aは不要)
- 国外贈与:該当要件を満たし、関連基準額を超える国外贈与・遺贈は、通常フォーム3520のパートIVで報告します。その受領だけではフォーム3520-Aは必要になりません。他の税務・情報報告義務は適用され得ます。また、国外信託の分配は別の区分です。
- 国外信託への一度の移転:財産を移転したものの、グランター・トラスト規則上の所有者ではない場合です。必要であればフォーム3520のパートIを提出します。フォーム3520-Aは米国所有者がいる国外信託に適用され、移転だけではその要件は成立しません。
- 非グランター・トラストからの分配:分配を受けたものの所有者ではない場合です。必要であればフォーム3520のパートIIIを提出します。フォーム3520-Aが必要なのは米国所有者がいる国外信託であり、米国受益者への分配があるというだけではありません。
フォーム3520-Aは所有者のフォーム3520の代わりになりますか?
米国所有者は、取引がなくても通常フォーム3520のパートIIで所有を報告しなければなりません。米国所有者がいる国外信託も通常、適用される報告例外を考慮したうえで、フォーム3520-Aを提出する必要があります。取引がないだけでは、所有の申告は不要になりません。
代替フォーム3520-A:国外信託が提出しない場合
代替手続には固有の期限と署名要件があります。信託の未提出に米国所有者が対応するためのものですが、正確で完全な報告を任意にするものではありません。
信託が提出しない理由はさまざまです。米国所有者は、受託者が済ませたと思い込むのではなく、提出済み申告書と必要な明細書の写しを入手し、提出を確認すべきです。
国外信託が提出しない場合、米国所有者は代替手続に従わなければなりません。
- 説明書に従い、必要な明細書・添付書類をすべて含め、できる限り代替フォーム3520-Aを完成させてください。不足記録の請求と、未解決の情報不足を記録します。
- 「Substitute Form 3520-A」の欄にチェックし、必要な本人識別情報を付して米国所有者として署名し、適用される延長を含む提出期限までにフォーム3520に添付します。
- 必要な国外グランター・トラスト所有者・受益者明細書を、所有者のフォーム3520の期限までに、該当する米国所有者・受益者へ提供します。
説明書は所有者ができる限り記入する代替申告を認めていますが、必要な添付書類を含む完全な申告書のみが期限内提出とみなされるとも規定しています。情報の欠落・誤りは、なおペナルティや不利な税務取扱いにつながり得ます。一般的な善意の主張は提出要件に代わるものではなく、合理的な理由を立証するものでもありません。
信託証書、変更書類、所有関係の分析、財務諸表、分配記録を集めてください。事実上の制約を正確に説明し、追加フォームの要否を検討します。例えば、所有者明細書を受領していない所有者にはフォーム8082が必要となる場合がありますが、それを提出しても6677条のペナルティが自動的になくなるわけではありません。
罰則の比較:フォーム3520とフォーム3520-A
フォーム3520の罰則
- パートIの移転:6677条の初回ペナルティは通常、$10,000と報告対象事由に関わる財産の総価額の35%の大きい方です。適用される法定限度と合理的な理由を考慮しなければなりません。
- パートIIIの分配:6677条の初回ペナルティは通常、$10,000と報告不履行の対象となる分配総額の35%の大きい方で、適用限度と合理的な理由を考慮します。所有者報告の不履行には、異なる資産価額を基礎とする5%の規則が適用されます。
- パートIVの国外贈与:6039F条は通常、合理的な理由が適用される場合を除き、不履行が続く各月について贈与価額の5%、最大25%を課します。IRSは2024年の発表のとおり、期限後のパートIV贈与報告を提出した時点での自動賦課を終了しましたが、法定の報告義務とペナルティの可能性は残っています。
例として、報告対象の$500,000の信託分配の35%は$175,000です。実際の罰則分析では、履行しなかった報告義務、適用される算定基礎、限度、合理的な理由を特定する必要があります。この計算がすべての期限後申告の結果を予測するものではありません。
フォーム3520-Aの罰則
- 所有報告に関する初回ペナルティ:米国所有者は通常、$10,000と課税年度末に所有するとみなされる部分の総価額の5%の大きい方について責任を負います。期限後、不完全、不正確な報告が対象となり得ます。適用限度と合理的な理由も引き続き重要です。
- 継続違反:IRSが通知を郵送してから90日を超えて不履行が続く場合、6677条は通常、その90日後の各30日間またはその一部につき$10,000を加算します。IRSが報告対象総額を確定できるようになれば、その不履行の合計ペナルティが当該金額を超えないよう、法律上、減額または還付が必要となります。
6677条は、該当する信託報告の不履行に適用されます。ペナルティにフォーム名称の数を単純に掛けることを認めるものではありません。移転、所有、分配について別個の不履行があれば、それぞれ適用義務、評価基礎、限度、救済を分析する必要があります。
避けるべき提出上の誤り
対応方法を選ぶ前に、関連する通知、申告履歴、記録、期限を確認してください。専門家の支援は、事実、適用法、合意した代理の範囲に照らして検討します。関連情報:ペナルティの減免。
- 信託の申告提出を確認せずに所有だけを報告する:フォーム3520のパートIIは、信託のフォーム3520-Aを代替しません。信託が提出しなければ、所有者は自らのフォーム3520の期限までに必要な代替申告を作成しなければなりません。怠ると、適用規則と救済を考慮したうえで、所有報告のペナルティが生じる場合があります。
- 受託者が提出したと思い込む:申告書、必要な明細書、提出記録を入手してください。受託者が作成を担当していても、所有者の報告確保義務は残ります。
- 誤った期限や延長を使う:信託の通常のフォーム3520-Aは通常、第三月の期限と固有のフォーム7004による延長に従います。フォーム3520は通常、第四月の期限と適用される延長に従います。代替フォーム3520-Aは所有者のフォーム3520の期限に従います。該当課税年度と週末・祝日の調整を確認してください。
- 贈与と信託分配を混同する:対象となる国外贈与・遺贈は通常、フォーム3520のパートIVに属します。国外信託の分配は通常パートIIIです。フォーム3520-Aは米国所有者のいる国外信託を報告するもので、いずれのパートも代替しません。
- 不足に対応せず不完全な代替申告を提出する:できる限り説明書に従い、不足情報を速やかに取得するよう努めてください。受託者の消極的姿勢や信託証書の制約だけでは、合理的な理由は成立しません。不完全な報告にはなお不利益が生じ得ます。
よくある質問
フォーム3520-Aは国外贈与に適用されますか?
国外の個人、遺産財団、法人、パートナーシップからの通常の贈与だけでは、フォーム3520-Aは必要ありません。関連する報告条件を満たせば、通常フォーム3520のパートIVが適用されます。国外信託の分配は別であり、他の税務・情報申告が必要な場合もあります。
受託者が協力しない場合、自分でフォーム3520-Aを提出できますか?
はい。国外信託が提出しない場合、米国所有者が代替申告を作成・署名し、代替である旨を表示してフォーム3520の期限までに添付し、必要な明細書も提供します。詳しい指示に従い、記録や所有関係の分析が不明確であれば専門家への相談を検討してください。不完全な提出が自動的に無罰になるわけではありません。
両フォームを期限後に提出すると、別々に二つのペナルティが課されますか?
可能性はありますが、自動的ではありません。移転、分配、所有についての別個の報告不履行は、異なるペナルティ算定基礎を持つ場合があります。所有報告の不履行には通常、$10,000と該当する年末資産の5%の大きい方を用います。対象となる移転・分配の不履行には通常35%を用い、初回最低額は$10,000です。限度と合理的な理由を含め、各不履行に法律を適用してください。是正方法は事実によって異なり、自主開示がすべての期限後フォームに対する自動的な解決策ではありません。
合理的な理由による例外はありますか?
はい。6677条は、合理的な理由によるもので故意の怠慢ではないと立証された不履行を除外し、6039F条も国外贈与報告について合理的な理由の例外を設けています。助言に依拠したという事情は事実の評価を要し、自動的な抗弁にはなりません。外国の秘密保持法による罰則、受託者の消極的姿勢、信託書類の開示制限は、適用規則上の合理的な理由にはなりません。IRSの現行の期限後申告指針では、フォーム3520・3520-Aの合理的な理由の説明書は賦課前に検討されます。主張する場合は最初のページに「Reasonable Cause Statement attached」と記載してください。
簡素化申告遵守手続はどうでしょうか?
IRS簡素化申告遵守手続は、要件を満たす故意でない国外所得・報告の不履行に対応できる場合があります。適格性には単なるフォームの遅延以上の条件があり、適用される居住・申告条件と事実に即した証明などが必要です。IRSの民事税務調査や刑事捜査の対象者は利用できません。これらの規則を期限後情報申告手続と比較してください。どちらの方法も、すべての事例での救済を保証しません。
国際税務弁護士に相談する
実務的な提出計画では、所有者の申告、信託の申告、代替申告の有無、必要な明細書、各期限を区別します。誰が各項目を作成・署名・提出するかを記録し、必要な提出が完了したことを確認してください。
対応方法を選ぶ前に、関連する通知、申告履歴、記録、期限を確認してください。専門家の支援は、事実、適用法、合意した代理の範囲に照らして検討します。関連情報:Segal, Cohen & Landis, P.C.、国外信託の報告、ペナルティの減免。
ご事情について当事務所にご相談ください。必要な作業と、依頼する場合の条件もご相談いただけます。
